一周忌法要の基本(香典の金額、お返し、挨拶・案内状の文例)

スポンサードリンク

命日の一年後に行われる法事が一周忌です。一年ごとに行われる年忌法要の中では最初にくるものとなります。四十九日の経験が参考になりますので、ある程度スムーズに進みやすいものの、お通夜や四十九日、百が日とは異なる事情もあります。

一周忌法要で押さえておきたいポイントとしては、お寺への連絡や日取りの決め方、香典の相場となる金額やお返しとして参列者の方に渡す引き出物、施主が会食の始まりと終わりに行う挨拶の文例、さらに弔問客に送付する案内状の書き方や準備といったものがあります。

なお、2年目の年忌法要は三回忌と呼びますし、七回忌は6年目です。これに対し、一周忌が一年後に行われることや、一回忌と呼ばれていないことは不思議に感じられるかもしれません。まず、周忌と回忌では意味合いが異なります。周忌は回ってきた年のことを表すのに対し、回忌は数え年になっています。そのため、いわば一周忌は二回忌に該当し、一回忌は命日の当日に当たります。

案内状を贈る際には、一回忌と書かずに一周忌と記載することになります。三回忌等と混同して間違えないように注意してください。

年忌法要の場合には、年によって盛大に行うものもあれば、身内だけで行ったり、省略したりすることが多いものもあります。一周忌の場合には、親族だけではなく友人や知人も招待することになりますので、規模は大きなものとなります。

故人が亡くなってから1年が経過するまでは喪中となり、祝い事や神社への参拝、年賀状などを避けて過ごすことになりますが、一周忌法要を終えると喪が明けることになります。

法事を行うのは必ずしも命日の当日ではなく、その前の土日に行うことも多いので、参列者の都合やお寺の予約を取れるかも考えて案内状を出しましょう。多くの人が集まりやすくするための心配りですが、すでにお寺が予約で埋まっているため、僧侶が空いていないために他の日に替えざるをえないこともあります。

一周忌法要の香典の金額の相場

スポンサードリンク

故人との付き合いの深さによって、香典の金額は変わってきますが、相場はおよそ5000円から1万円でしょう。会食(お斎)が付いていることが一般的ですので、それも踏まえた金額となっています。

香典を入れるのし袋の表書きには、仏式の場合には「御仏前」「御佛前」「御供物料」、神式の場合なら「御神前」「御玉串料」、キリスト教式では「御花料」と記載します。参列者としては、お通夜やお葬式、四十九日の際に、どれに該当するのかを見て覚えておくか、記録しておくとよいでしょう。

現金で香典を包むほかに、線香やお花、お菓子などを持っていくこともあります。元々はこのような品を持参する風習であったのが、現在ではお金を包むように変わっているため、両方を渡してもかまいません。

一周忌の引き出物(お返し)

法事にあたって用意する引き出物は、香典のお返しとお土産という二つの意味を持っています。会食を行うのであれば、それが終わってから、食事がない場合には折り詰めの料理とお酒の小瓶と共に渡すのが一般的です。

引き出物(お返し)に使用するのしには、黒白か双銀の結びきりの水引を用います。のしの表書きには「粗供養」や「志」と記載しておきましょう。

一周忌の引き出物としては食品がタオル、石鹸、洗剤といった実用品が多く使われていますが、最近ではカタログを渡して、自分で好きなものを選んでもらえるようにすることも多くなっています。

引き出物の金額としては、2000円から5000円ほどが相場となっています。なお、遠くから足を運んでいる方もいますので、重いものやかさばるものは途中で邪魔になってしまいますので、お返しとして適当ではありません。

一周忌の挨拶の文例

施主が行う法要当日の役割の中でも大きなものとしては、会食の前と終わりに行う挨拶があります。四十九日の際に経験した時に、独特な言い回しで苦労した方も多いと思います。文例を参考にすれば、それほど困らなくて済みますので、名前や日付など、必要な箇所を訂正して使用できるテンプレート(雛形)を用意しましたので、参考にしてください。

一周忌法要の挨拶の文例は以下の通りとなります。

「本日は、お忙しい中、亡き○○の一周忌にご参列いただきまして、まことにありがとうございます。
このように、皆様方においでいただき○○もさぞかし喜んでいることと存じます。
早いもので○○が亡くなりまして一年の月日が過ぎました。
しばらくはぼう然とするばかりでしたが、私どももようやく元気を取り戻すことができました。
これもひとえに、皆様がたのお力添えのおかげと感謝いたしております。
ささやかではございますが、食事を用意いたしました。
故人との思い出話などお聞かせ願えればと存じます。
本日は、まことにありがとうございました。」

挨拶の中で押さえておきたいポイントとしては、参列やご厚誼への感謝とお礼、遺族の近況の報告、食事のお勧めが挙げられます。なお、会食がない場合には、文例から該当する部分を省いておきましょう。

一周忌の案内状の文例

挨拶と同様に、案内状も内容に悩むものです。しかも、文書であるだけに形として残ってしまうため、ますます下手なことはできません。こちらも、文例を参考にして、失敗しないようにしておきましょう。

なお、一周忌の案内状は縦書きが一般的ですので、文例を縦にすることを忘れないでください。また、返信用のハガキを同封して封筒に入れるのが本来のマナーでしたが、最近では往復はがきを使っても失礼には当たらなくなっていますので、どちらを選んでも問題はありません。

一周忌法要の案内状には法事の日時や場所、会食の有無、返事の期限を入れておくようにしましょう。分からない点があると受け取った人にも迷惑ですし、問い合わせが多いと対応するのも大変です。

案内状の文例は以下の通りです。

「拝啓
仲春の候、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は一方ならぬご厚誼を賜り誠にありがたく厚く御礼を申し上げます。
さて来る五月五日は亡き父、○○の一周忌に当たります。つきまして左記の通り法要を相営みたく存じます。ご多用中とは存じますが、何とぞご参詣、ご焼香をお願い申し上げます。
敬具
平成○○年○月○日
名前


             記
日時  五月五日(日曜日)十時より
場所  □□にて

なお法要ののち粗餐を差し上げたく存じます。
誠に恐縮ですが○月○日迄にご返信くださるようお願いいたします」

スポンサードリンク